1890年代、ウォールナットのバルーンバックチェアー。
繊細なシルエットを描くバックのラインが印象的です。

ウォールナットらしい艶やかな飴色に輝くフレームが、
100年以上経過した年月の味わい深さを醸し出しています。

バルーンバックとはヴィクトリア時代に流行したこの背もたれのフォルムのことで、
バルーン（気球）に例えられて名付けられたと言われています。

バルーンバックチェアーはアンティークのサロンチェアーとして多く存在しますが、
同じようなフォルムでもそれぞれに個性が感じられるのも面白いところです。

脚部は、こちらも当時の流行であるフランス様式の"フレンチカブリオレ"
同じ猫足のような曲線でも、つま先がクイーンアンのようなバンフィートではなく、
ヒールを履いたようなカカトが特徴的です。

アカンサスやスクロールの彫りも施されており、細部まで華やかです。

ファブリックはシックかつクラシカルなブラウンを基調としたダマスクパターン。
控えめなデザインながら細部まで繊細な意匠が施されたフレームともぴったりマッチしています。

ブレードも同系色のブラウンカラーでまとめました。

後ろ姿