GEOGRAPHICA

アンティーク家具の修理・修復について

【お知らせ】 現在ファクトリーのスケジュールが大変立て込んでいる為、他店でご購入のアンティーク家具の修理はお受けしておりません。
誠に申し訳ございませんがご理解賜りますようお願い申し上げます。

1.まずは購入店に相談を

アンティーク家具は販売するお店によってそれぞれ修理・修復の方法が異なります。ですから、本来は過去にその家具を修復、販売したお店に直接ご相談されることが一番です。

しかし、販売店がもう無くなっていたり、ご家族やご友人から譲られたものをお手入れされたいなどの場合には下記の内容をご理解の上でジェオグラフィカにご相談下さい。

2.時として未修理品よりも手間がかかる再修理品

本来アンティーク家具の木工作業は、一度全部を解体して接合部を清掃したうえでそれぞれの部材の強度を補い、きっちりと精度よく組み上げて全体でバランスよく強度を高めるべきものですが、隙間やグラつきを安易に金属ネジやエポキシ系の接着剤で固定させるような修理がされていると再修理は結構困難な作業になります。

柔軟性の全く出ない固定方法は他のパーツに余計なストレスをかけることになり、日本の四季の湿度、温度の変化による木材の自然な収縮を全体で吸収することが出来なくなってしまいます。それゆえに再度修復するときに、慎重にそれらを取り除かなければなりません。
不必要な木ネジを打たれた部材はそれ自体の強度が低下するために補強や取り替えを余儀なくされてしまいますし、エポキシ系の接着剤は完全な除去が困難なものが多く正しい方法での再接合を不可能にしてしまいます。

これらの復元に要する作業の時間は、時として未修理品の修理に要する時間の何倍にも及ぶことがあります。

3.直せる塗装と直せない塗装

ジェオグラフィカではウレタン塗装、ラッカー塗装で仕上げられた家具の修理は基本的にお受けしておりません。

ジェオグラフィカの標準的な塗装は、天然塗料であるシェラックニスを用いてすべてを手作業で行いますので、ウレタン塗装や、ラッカー塗装とは対応する設備や溶剤が全く異なります。

持ち込み品の一部には、古いシェラックニスの上から当時は使用されていなかった石油系の溶剤を用いた市販のラッカーなどをオーバーコートされたものや、十分な下地の調整がなされないままに塗面だけとりあえず綺麗に仕上げたことにより、薄くフィルム状の剥離が生じたものなどが多く、本来のアンティーク家具の仕上げとは大きく異なるものもあります。

ウレタンや、ラッカーなどの性質の大きく異なる溶剤を用いて塗装されたものをシェラックニスを用いたあるべき姿のアンティーク家具にするためには、既存の塗膜を全部剥離したうえで下地を作り直すことが必須になってしまいます。

シェラックニスの場合はアンティークのオリジナル塗装として広く用いられて来たために、再塗装をする場合にも親和性が高くより自然に仕上がり、何年たっても安定した塗面に仕上げ直すことが可能です。

4.費用は個別に見積もりが必要です

以上のようなことから、アンティーク家具の修理、修復は、それぞれの状態や、塗装に用いられた溶剤を判定したうえではじめて必要な費用が確定します。ジェオグラフィカで販売された商品であれば、販売時に修復の履歴を記したカルテが保存されていますので、希望修理内容と現状の写真をメール等でお送り戴くことでほぼ正確なお見積もりをお出しできます。

5.時間のかかる場合もあります

椅子の脚折れや、彫刻パーツの欠損などの場合は、同種の材を用いて手作業でパーツを製作しなければならないので作業時間が余計にかかります。また、塗装の下地が安定していないものは塗料の定着の様子を見ながら作業を進めて行きますので通常の塗装時間よりも乾燥や観察に時間を要することになります。
正確な納期は修理希望品をお預かりした後、お見積もりと一緒にご提示いたします。

6.椅子の張り替えについて

ジェオグラフィカでは椅子の張り替えを承っております。店頭の生地見本の中から椅子生地をお選びいただけます。
張り替えは、張り替え工賃と生地代をそれぞれお見積もりいたします。
グラつきや、貫折れ、フレームに強度不足などがある場合や塗装作業が必要な場合は別途費用がかかります。現代物のソファーで骨組みに圧縮ボードなどを使用していたり、特殊な接着方法を用いているものは張り替え作業が出来ないものがあります。

アンティーク家具の修理・修復のご相談は以下フォームよりお問い合わせください。
お問い合わせの際には、ご購入の経緯、どのような修理・修復をご希望か等、出来るだけ詳しくご記入くださいませ。また家具の全体像と修理ご希望箇所の画像の添付をお願いいたします。

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