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アンティーク家具は見た目を楽しむだけの装飾品ではなく実用性も兼ね備えたインテリアエレメントです。
現代の家具とは製造方法などが違うため気をつけるべき点はいくつかありますが、ポイントさえ押さえれば取り扱いは決して難しくありません。アンティーク家具を取り入れるために少しの注意を払うだけで、他のインテリアには決して真似することのできない風合いや造形の美しさを楽しみながら生活に必要な機能性を十分に享受することができます。
なかでも収納家具はサイズやバリエーションが豊富なため置き場所や用途に合わせて気に入ったものを探しやすく、またその家具本来の目的とは違う使い方を見つけていく楽しさを見つけやすいアイテムでもあります。
代表的な収納家具といえば「チェスト」と「ワードローブ」ですが、それぞれが歴史に登場した時には現代の我々がよく知っているような形ではありませんでした。この記事ではそんなチェストとワードローブの歴史をかいつまんでご紹介するとともに、ジェオグラフィカで取り扱っているチェストとワードローブなどの収納家具にはどういったアイテムがあるのかをご案内いたします。
アンティーク家具により興味を持ち、楽しんで使っていただけるきっかけになれば幸いです。
有史以来、人類の最も身近にある収納家具がチェストです。
ここで言うチェストとは現代の我々がすぐに思い浮かべる引き出しのついたものではなく上面が蓋になった箱、いわゆる”櫃”のこと、古代エジプトではすでに蟻組みなどの高度な技術を用いて櫃が作られており、生活や儀式あるいは埋葬にと様々な用途で用いられていました。
エジプト王家の墳墓である王家の谷から出土したツタンカーメン王の彩画櫃は紀元前14世紀頃に製作されたものですが、彩色の美しさと家具としての完成度の高さに驚かずにはいられません。
古代エジプトでは王や貴族だけでなく庶民の間にも葦や木で作られた櫃が普及していたそうですからその繁栄振りとともにチェストと我々人類との歴史の長さを窺い知ることができます。
現在イギリスと呼ばれる地域(ブリテン島)にチェストが登場するのは中世以降です。
はじめはごく限られた裕福な貴族の持ち物として登場しますが、ツタンカーメン王の櫃のように洗練されたものではなく上部が蓋のようになった簡素な箱や丸太をくり抜いただけの非常に素朴なものでした。
その木箱は洋服だけでなく、貴重品や武器、食料など様々な物を保管するために用いられ、また時にはテーブルにも椅子にもなる多用途な家具でもありました。
戦乱が絶えず不安定だった当時、一度戦となれば家財一切をその箱に掻き集めてすぐさま避難するといったような生活を送っていた彼らにはインテリアに気を使う余裕はなかったのでしょう。
人類と収納家具の歴史のなかで最も革新的な変化が17世紀中頃に起こります。それが引き出しの普及です。
当初は当時一般的だった上蓋式のチェストの下部分に引き出しを2杯つけた”ミュールチェスト”と呼ばれるものが多く作られましたが、引き出しのあまりの便利さ故にすべてが引き出しになったチェストに主役の座を譲り渡すまでに多くの時間は必要ありませんでした。
すべてが引き出しで埋め尽くされたチェストの天板はもう開くことはなくなり、現在でも我々がよく目にする形の”チェストオブドロワーズ”がチェストの代名詞としての地位を不動のものとするのです。
17世紀中頃に引き出しが普及してからまたたく間に収納家具の主役の座を射止めたのがこのチェストオブドロワーズです。
ジェオグラフィカに入荷してくる家具の中でも数、バリエーションともに多く、また幅が1mを超える大きなものから50cm程の小さいものまで様々なサイズのアイテムがあります。
特にベッドサイドで使えるようなコンパクトなものをベッドサイドチェスト、またチェストが2段重なった用に見える背の高いものはチェストオンチェストと呼ばれ、通常のチェストオブドロワーズとは区別してカテゴライズされています。
チェストの上に扉のついた収納(カップボード)がのった形のものはカップボードチェストと呼ばれます。
引き出し収納と扉収納のいいところを一挙両得できる優れたアイテムですが、通常のチェストオブドロワーズに比べてマーケットに出てくる数は多くありません。
引き出しの上に扉が乗ったものばかりではなく上下が逆、つまり扉収納の上に引出し収納が乗った形のものもあります。
また、ベッドサイドで使われるような小さいサイズのものでは、ほとんどの場合引き出しは一番上についています。
チェストの中でもっともプリミティブなコンセプトながら機能的なのがこのブランケットチェストです。
6つの面で構成される基本的な構造は中世の頃から変わっていませんが、当時のように一枚板で作られているものは当然ながらほぼ現代では目にすることはなく、天板を除いたそれぞれの面は框組みされているものがほとんどです。
とはいえ数あるアンティーク家具の中でもこれほど長く形の変わらないものはそう多くはなく、そういった意味では最もアンティークらしさを感じることのできるアイテムであると言えるかもしれません。
ワードローブにもまた長く変化に富んだ歴史が隠されています。
ワードローブという言葉の語源は古フランス語、あるいはゲルマン祖語にそれぞれ見ることができますが、古フランス語では”衣類の保管や身支度に使用する部屋”、ゲルマン祖語では”衣服を保管すること”そのものを意味します。
またカンタベリー物語で知られる14世紀イングランドの詩人ジェフリー・チョーサーは洗面所を表すためにワードローブという言葉を使っています。
つまり当初ワードローブとは現代の我々が想像するような衣服を収納する家具のことではなく、部屋そのものや建物を表す言葉として用いられていたのです。
中世のイングランドにおいて王のワードローブは時の行政組織が管理すべき事柄のなかでも特に重要なものでした。
実際に衣類を収納していたのはプレスと呼ばれる家具でした。それはかなり早い段階で2つの部分”衣類を吊るして保管する部分”と”衣類を平置きにして保管する部分”とに別れ、17世紀頃までにはそのような家具がワードローブであるという認識が一般的となります。
そして18世紀の終わり頃にはプレスの両脇を細身のカップボードで挟んだ形のものがワードローブであるとして定着しました。
19世紀に入り家具が大量生産されるようになるとワードローブはチェストオブドロワーズ・ドレッシングテーブル・ウォッシュハンドスタンドそしてベッドとともにベッドルームスイートを構成する家具として欠かせない要素となります。
当初は18世紀に始まった産業革命を経て新しく誕生した資本家層を始めとする中産階級がそれらの主な消費者でしたが、社会の成熟とともにより広い階層へと広がっていきます。
外見上の特筆すべき変化として、19世紀後半に入ると中央の扉に姿見がついた形のものが一般的となり、さらに20世紀になると鏡は扉の内側に付くことが多くなります。
現代ではワードローブは家具というより部屋に備え付けの収納であることが多くなっていますが、これを先祖返りとして考えるとワードローブとは実に興味深い歴史を辿っている存在であると言えるでしょう。
現代の日本では住宅にビルトインのクローゼットが設置されるケースが主流になっており、実はワードローブの需要はそう多くはありません。
それだけにジェオグラフィカが仕入れるワードローブはユニークでクオリティーの高い厳選されたものに限られており、単なる衣類の収納家具の枠にはとどまらないアイテムばかりです。
どれも存在感十分で本来の衣類を収納する用途としてはもちろんのこと、それ以外でも例えばリビングやダイニングでも空間を彩るインテリアピースとして活躍します。
ヨーロッパのアンティークマーケットでも”佳品”を見つけることが年々難しくなりつつありますので、日本でいいものに出会うことができるのはとても幸運だと言えます。
もともとはエントランスホールで使用されていた細身のワードローブ、コートやステッキ、帽子などの収納に使われていました。
通常のワードローブよりも細身なので少ないスペースで設置することができ、また収納できる量が非常に多いので常に人気のある定番のアイテムです。
ジェオグラフィカでは修復の際に棚板を4,5枚設置しておくことが多く、オリジナルの吊るすだけの収納よりも使いやすい形でご紹介するように心がけています。
エントランスで使われていただけに表面の装飾に見どころがあるものが多く、アイコニックなアンティークエレメントとしておすすめしたいアイテムです。
大きな名2枚の扉のカップボード、たいてい内部には棚や衣類を吊り下げるためのフック、引き出しが設置されています。
アルモワという言葉が初めて登場したのは16世紀の後半と言われています。もともとはフランスで武器の保管庫として作られていましたが、17世紀にはワードローブやクロスプレスという呼び名の括りに入れられることになります。
西洋家具史上において最も豪華な家具は、フランスの偉大な家具職人であるアンドレ・チャールズ・ブーレが”太陽王”ルイ14世のために17世紀後半に製作したアルモワだと言われています。
このアルモワはあまり数多く入荷せず、非常に珍しいものです。美しく華麗な彫刻で装飾されているものが多く見られ空間のランドマーク的な使われ方をするとても印象的なアイテムです。
店舗用に作られたキャビネット、ガラスパーツが用いられており商品ディスプレイやストックがしやすいよう考慮されています。
いずれもその店舗のために作られたオーダーメイドなので形や大きさは様々、背の高い壁置きのものから全面がガラスになっているショーケース状のものまでバリエーションが豊富です。
一般向けではないためにもともと作られた数が多くなく、イギリスのアンティークマーケットでもコンディションの良いものは年に数えるほどしか目にすることはできません。
それだけに仕入れる際には常にアンテナを広く張り巡らせ、いい出物を見逃さないようにしておく必要のあるアイテムです。
シャツキャビネットを購入されるのはやはりショップ用のディスプレイ什器として使われる方が多いのですが、なかにはご自宅用に購入される方もいらっしゃいます。
もともとが衣類収納に特化した家具ですので機能性の高さは言うまでもありませんが、どこか遊び心を感じるのもこのアイテムの魅力です。
書類の収納用に作られたキャビネット、引き出しが設置されているものが多く、主に軍や企業、公共施設等で使われていました。
シャツキャビネットと同じくこのファイルキャビネットも形やサイズはさまざまですが、殆どの場合引き出しにはネームプレートがつけられておりデザインの上でもファイルキャビネットならではの個性を演出する欠かせない要素になっています。
作られた当時の用途によって引き出しの大きさや形状が全く違っているのがこのアイテムならではの面白さ、簡単ではないかもしれませんが探しているものにピタリとハマるアイテムを見つけたときにはきっとこの上なく気持ちいいはずです。
一般的に”ミュージックキャビネット”と呼ばれる楽器や楽譜を収納するために作られた家具のなかで、特に楽譜を収納するために細かく引き出しのつけられた家具をこう呼んでいます。
譜面が取り出しやすいように多くの場合引き出し前板が垂れ下がる作りになっているのが特徴で、まさに書類の収納に特化した収納家具だと言えるでしょう。
IT化が進んでいる現代の暮らしにおいても紙で保存するものはまだまだ意外に多いもの、雑然としてしまいがちな雑多な紙類の保管もこのミュージックドロアならすっきりとインテリアに溶け込ませることができます。
3枚扉の正統派ワードローブ、
左側はハンガーを掛けるスペースで右側は棚置き収納
余裕のあるハンガースペース、
男性用コートも余裕を持って掛けることができます。
右側の棚板はオークの無垢材で厚みがあり強度も十分
引き出しには深さがあり、秋冬のニットを数枚重ねて収納可能
こちらは足元に2杯並んだ引き出し、幅も深さも十分。
最適なコンディションに調整されていますのでスムーズに出し入れができます。
ハンガースペースには棚板収納のオプションもあります。
棚受けにのせるだけなので取り付け・取り外しはとても簡単
棚板を設置すればたたんで収納したい際に大変便利、
好きな枚数を設置できるので色々なパターンの収納スタイルに対応できます。
コンパクトム社のマホガニーのワードローブ、
一見オーソドックスなデザインですが扉を開けると驚きがあります。
なんと扉の中は引き出しがズラリ、
右側の大きな引き出しはもともとはファイルケースになっていました。
左端のハンガー掛けはスライド式で出し入れが便利
オープンの棚は余裕のスペース、
男性用ショートブーツがらくらく収まります。
シャツを収納するには十分な引き出し、鍵付きです。
右側上段の扉のスペースも余裕があります。
ファイルケースだった引き出しはさすがの収納力、
厚みのあるブランケットなどを重ねてしまうことができそうです。
男性用ショートブーツもこの通り
扉に時計のついたユニークなホールローブ
ハンガーでの収納時、
奥行きが浅いため正面向きになります。
男性用コートもしっかり収まるサイズ
扉の裏側にはミラー付き小物入れ
ネクタイなどが収まります。
付属の棚板を設置すればこのようになります。
必要な枚数だけ設置できるのでいろいろなパターンに対応可能です。
かさばるニットやブランケットがすっきり片付きます。
ショーケースタイプのシャツキャビネット
しまわれているものがひと目で分かります。
ケースに入るとかっちりまとまった印象になります。
整然と美しく引き出しの並んだ裏面
しっかりとメンテナンスされており、出し入れはとてもスムーズ
衣類整理が楽しくなる素敵なアイテムです。