港北ファクトリーでは熟練の修復士の手によって一つ一つ丁寧に修復したアンティーク家具を販売しています。
アンティーク家具のアンティークらしさを最大限に維持しながら、実用性も重視し安心してお使いいただけるよう
「それぞれの家具にとってベストな状態」に修復しています。

アンティーク家具の修復の要である木工作業と塗装作業

【木工修理】
ほとんどの家具の木部は一度分解し、再度組み直しを行なって通常使用可能なように強度を確認しながら修復しています。
組み上げの行程では、後の塗装作業を意識しながら、より細部に渡る修復が平行して行われます。

【塗装修理】
アンティークの風合いを残しつつも元々の塗面をできるだけ生かしながら全体的に塗装を施します。塗装工程はオリジナルの塗面の状態によりいくつかの方法が用いられ、一つ一つコンディションが異なる現物をあたり最適な方法を導き出していきます。

主な作業工程

【扉の調整】
扉付きの家具の蝶番は、アンティークのものが使用可能な場合にはそのまま活かし、交換が必要な場合には真鍮製のリプロダクションのものに交換して開閉がしっかりと出来るように修復しています。

【引き出しの調整】
滑りが悪くなったレールを調整したり、オリジナルの引手の強度の確認、欠損のある引手はストックのパーツの中から交換します。表面の傷やひび割れを木材、パテや樹脂で埋めて表面を平滑にします。

【塗装の下地工程】
アンティーク家具の塗装は、下地処理が仕上がりの良し悪しを大きく左右します。古くなった塗料や凹凸を落とすために、サンドペーパーで表面を滑らかにし、古い塗装や汚れを落とします。下地剤を塗布することで木材の吸水性を均一にし、上塗りのノリを良くします。

【鍵の調整】
鍵付きの家具も古いシリンダーが使用できるものは活かし、鍵穴の内部にあるシリンダーの摩耗や部品の破損を調整します。交換が必要な場合には真鍮製のリプロダクションのものに交換して、鍵がきちんと掛かるように修復しています。

【キャビネットクロスの交換】
背板が木製のものは、汚れを丁寧に落とし再塗装することで再生しますが、古いクロスの貼ってあるものは背板ごと交換し、、新しいクロスを貼ります。全体的なデザインや、彫刻のディテール、様式や、材質などに着目して張り生地を選びます。

【ハンドル、ノブの交換】
金属製の引手や可動パーツ、鍵等も多くのストックがあります。ストックのパーツの中に適切なものがない場合は、当時の鋳型から作られたリプロダクションのパーツを使用します。

【イスの張り替え】
チェアーやソファー等は古い生地やクッションを剥がして、そのチェアーに合わせて新しく選んだファブリックで綺麗に張り替えをしています。

《ジェオグラフィカのアンティーク家具と修復について詳しくはこちらをご覧ください。》

また、ジェオグラフィカでは継続して各地の指定文化財などの修造家具の修復活動を行っています。こちらの収蔵家具の修復は、できる限りオリジナルを保存し、家具として正しく時を経た姿に再生することが主題となります。そのために、正しい修復方法での作業が必要となり、高度な技術の維持も求められますが、同時の大きな学びも得られます。

《旧岩崎邸家具修復》

《東京都庭園美術館収蔵家具の修復について vol.1》