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2026/10/04 | スタッフの日常
10月4日 白水
10月に入り、晴れ間の見える日も増えて良い気候になってきましたね。
私は前前回に続き、積読消化に勤しんでおります。
今読んでいるのは「映画プロップ・グラフィックス スクリーンの中の小道具たち」です。
読むといより図説に近いのですが、とても良い本なのでご紹介させてください。
この本はデザイナーのアニー・アトキンズが映画やドラマの中で使われる
グラフィックや小道具を作る過程やその製作物が掲載されているものです。
彼女の携わった作品の中に「ペニー・ドレッドフル ~ナイトメア 血塗られた秘密~」という
1891年のロンドンを舞台としたゴシックホラーの作品があるのですが、
その中で扱われる小道具のセンスが抜群に良いのです。
元々この本を購入するきっかけもこの作品の雰囲気が好きだったことも
要因の一つだったのですが、本書ではロンドンの街並みの舞台セットに使われている
一枚の看板がどのようなコンセプト、意味を持って製作されたのかが
ラフスケッチや完成品とともに解説されています。
紹介されている看板のうち、個人的に好きなのはイールパイと歯医者の広告です。
どちらも当時の写真資料をもとに作られたそうなのですが、
資料をもとに付け足されたのは
イールパイの看板に「いつでもあります!」の文字
当時テムズ川で獲れるうなぎは庶民にとって大事なタンパク質だったので
今で言うファストフードの感覚で売られていたのだとか。
(味についてはお察しです)
そして歯医者の看板には「無痛抜歯」が付け足されたそうです。
理由は胡散臭さを演出するため。
当時歯の治療は今のように麻酔で穏便に…とはいかないものだったので、
無痛で済むわけがないのです。
その状況で堂々と広告に掲載すると言うことは、十中八九誇張広告なのでしょう…
本書を読んでいると、
決して作品の主役では無い看板1枚小道具一つに対しても
誠実な時代考証をされていることに驚かされます。
私が何も知らずに作品を見ていた時に漠然と感じていた良さは
まさに細部に宿るものもあったのでしょうね。
他の作品ではタイプライターで打たれた文章を作るために
当時のタイプライターを取り寄せたりと
全体を通じて妥協のないこだわりが感じられるとても良い本です。
このお気に入りに作品にこのデザイナーが携わっている方は是非、読んでみてください。
これを読むことで本編内でもこれまで気づかなかった新たな発見があるかもしれません!
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