5月13日　須田涼子

たまたま見かけたポスターに惹かれ、八王子の夢美術館で開催中の『エロール・ル・カイン展　イメージの魔術師』へ行ってきました。

11歳で初めてのアニメーションを製作し、15歳の頃にアニメーターとして単身イギリスへ渡ったル・カインは映画会社やBBCなどでアニメーションに携わりながら、
自信の長年の夢であった絵本も出版し、以後晩年まで絵本を世に送り出したイギリスを代表する絵本作家でもあります。

ヨーロッパにルーツを持ちつつ、幼少期をインドやシンガポールで過ごし、また日本やサイゴン、香港なども旅したという彼の作品は、西洋美術、東洋美術、映画、アニメーションなど様々な芸術がミックスした色鮮やかで独特の世界を表現していて、一度見ると忘れられないほど強烈な印象を放っています。

個人的に特に印象的だったのは絵本のフレーム画。
幻想的な作品の世界観をそのままに文章と絵を繋ぐフレーム画の繊細なこと・・！
細部まで細やかに美しく描かれているのですが、色鮮やかな作品でも色彩が落ち着いていて本当に美しかったです。
一番見たかったいばら姫の原画が無くとても残念でしたが初版本が展示されていました。