フレンチスタイル
2024/10/29 | スタッフの日常
10月29日 白水萌菜美
先日、パナソニック汐留美術館で開催中の「ベル・エポック-美しき時代」を観に行きました。
19世紀末から第一世界大戦ごろまでのフランス、パリで花開いた舞台、文学、工芸などなど、
あらゆる芸術と文化が展示、解説されています。
ロートレックにガレ、ラリック、ロダン、ミュシャら芸術家や当時一斉を風靡した
舞台女優のサラ・ベルナール、物理学者のマリー・キュリーなど、
現代にまで名を残すあらゆる分野の偉人が一同に集った当時のパリは
果たしてどれほど刺激的だったのだろうと思いを馳せてしまいます。
実は今、ジェオグラフィカの入口正面にディスプレイされている家具のうち、
2つがフレンチスタイルなのですが、お分かりになるでしょうか?
1つ目は手前にある2脚揃いのチェアー。
こちらは1890年代、正にベル・エポックの時代に作られたアンティークチェアーです。
背もたれを筆頭に深く彫られた花々の彫刻は非常にゴージャスでドラマチック。
当時の職人の技術の高さとこだわりが伺えます。
修復に際し、可愛らしくも品のあるピンク色のダマスク生地で張り替えました。
もう一つはチェアーの奥にあるビューロー!
通常のビューローよりもかなり薄型で特徴的な出立ちですが。
こちらはなんと更に前、1870年代に作られたものなのです…!!
ナポレオン3世様式と呼ばれる様式で作られています。
何と言っても注目すべきは正面、サイドを彩る美しいレリーフの彫刻。
ボリュームのある脚元の技巧も素晴らしく、飾るだけで絵になる一品です。
裏面にはもともと生地が貼られており、パーテーションとしても使われていました。
その為修復でも当時の使われ方を活かせるよう、裏には淡いベージュのダマスク生地が貼られています。
ジェオグラフィカで扱う家具はほとんどがイギリスのものですが、
時々こういったフランス様式のものも入ってきています。
どちらの国の家具もデザイン、機能面ともに甲乙付け難く魅力的な家具ばかりです!
家具を見る際は元の作られた国や時代と併せて見るとより楽しめますね!