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2022/08/21 | スタッフの日常
8月21日 須田涼子
『Alec Soth Gathered Leaves』へ。
アメリカの現代写真を牽引する写真家の、日本初の美術館個展とのこと。
初期作品から4つのシリーズで構成され、多数の作品とドキュメンタリー映画の上映がありました。
ソスの作品は「ドキュメンタリー写真」というキーワードで語られる事が多いそうで、彩度の高いアート作品というよりも、味気ないほど暗めのトーンで、ありふれた風景や人物、自然等のアメリカの現代社会を切り取り、写真の背景にある物語を想像させるような作品。
個人的には「Broken Manual」というシリーズが印象に残りました。
Broken Manualは現代社会から身を引き、遁世的な生活を送っている人々を主題にした作品シリーズ。
そこだけ展示ブースの壁紙がグレーになっていて、もう一段暗いトーンの静寂とした作品が並びます。
人里離れた森の中で生活する人や風景を、無機質な目で撮影し、彼らが社会からの隔離をなぜ切実に望んでいるか、また現代人はどうしたら実際に逃避できるかを「マニュアル」という形でまとめている作品シリーズです。
タイトルの「Broken Manual」とは"(逃避のための)不完全なマニュアル"という意味だそう。
作品を通し、逃避や隠遁など不可能で、人はどうしても他の人を必要とする生き物であり、他人との繋がりなしには生きられないという事を伝えたかったと、後日読んだインタビューでソスが語っていました。
たまたま立ち寄った展覧会、普段は自分が興味のある事、好きなものだけを観に行ってしまいますが、今回のように偶発的に鑑賞するのも面白いなと改めて。
ついつい狭くなりがちな視野を広げる良い機会でした。