GEOGRAPHICA

A Quiet Sun

2022/08/08 | スタッフの日常

8月8日 須田涼子

「A Quiet Sun」田口和奈展へ。

”ファウンドフォト"という日常に埋もれた誰が撮影したか不明の写真/雑誌を応用した作品や、自らが制作した作品を多重露光で撮影したり、ドローイングを施して再撮影したり、いくつかのプロセスを重ねて完成する奥行きのある作品を多数展示してあります。
濃密で見応えのある展覧会です。
(しかも無料です。)

”誰が撮影したかわからない写真"というだけでも想像力を刺激する魅力的な題材だと思うのですが、そこにリアルとシュールが重なり混じり合い、誰かの意識や記憶の中へ入り込むような、浮遊感と幻想感を感じさせます。

展示方法も面白くて。

光が沢山入る建物の構造を生かし、全体が一つのインスタレーションのように機能した会場。
印画紙のままで展示がされていたり、窓や床や、一瞬スルーしてしまうような場所にもさりげなく展示されていて、宝物を発見したような幸せな気持ちで作品を楽しめます。


↓光を多く取り込む細長い廊下の奥に、連作「エウリュディケーの眼」の#5が展示されています。

床にも展示してあったり。

作者が収集しているファウンドフォトが多数展示されていたり、過去の巨匠の作品や宗教、神話をモチーフにした作品も多く、興味をそそられる展覧会でした。