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2021/01/19 | スタッフの日常
1月19日 中野美穂
先日、大好きだった原美術館が閉館しました。
美術館としてオープンしてから40年余り、建物の老朽化が主な理由との事で、惜しまれつつの閉館です。
関東に越してくる前も大きな美術館であれば旅行などで訪れる機会があったのですが、原美術館はこちらに住み始めてから初めてその存在を知りました。
都会の喧騒から離れた閑静な住宅街、その中でも木々に守られるように建つ白亜の洋館は、そこだけが時間から切り離されているようでとても心地よい衝撃を受けたのが印象に残っています。
初めて観たのは香港出身のアーティスト、リー・キットの展覧会。
元々私邸だったその建物での展示は美術館としては珍しく外光に溢れたもので、繊細な木漏れ日や独特な空気の流れを感じる空間には、今この瞬間のここでしか触れられない、作家の想いのようなものが溢れているように感じました。
その後も気になる展示があれば度々足を運んだのですが、どの展覧会も原美術館という場所があったからこそ生まれたような、特別な物だった気がします。
竣工から約80年、様々な時代の移り変わりを経て美術館として生まれ変わり、そしてその役割を静かに終えていく。
そんな建物が持つドラマと、そして自分自身があの場所で感じた事を大切に覚えておきたいと思います。
また、閉館後は活動拠点を群馬にある別館に移されるそうなので、そちらでまた原美術館の作品たちに再会出会える日を楽しみにしています。