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2019/07/31 | スタッフの日常
7月31日 中野美穂
飲み込めない何かに喉元を圧迫されるような、ひやりと魂を凍らせるような、そんなどっしりと重い展覧会、
『クリスチャン・ボルタンスキー展』に行ってきました。
大阪で開催されていた時から気になっていたのですが、東京会場に巡回との事で、ようやく見る事ができました。
人の「在と不在」について、すり潰すように細かく、深く、読み解いては構築する作品群に埋もれた空間は、まるでボルタンスキーの思考の中の「死の世界」に迷い込んだようです。
覚悟はしていたのですが、なかなかにヘビーな内容で衝撃的でした。
ただ、「DEPART(出発)」「ARRIVEE(到着)」「来世」などと書かれた電飾に遭遇する会場を一巡りした後には、何か大きな旅を終えたような、不思議な清々しさも感じました。
胎内めぐりとはこういう物なのかもしれません。
夏の暑さを吹き飛ばすような爽やかさとはまた違いますが、何か重苦しい物がふっとやって来ては通り抜けていくような、不思議な達成感を味わえる展覧会でした。