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塗面を活かしてイカした修復塗装 ~そのイチ~

2017/07/26 | 修理

7月26日 佐藤大文

あぁ~~夏休みィ~~~。
皆様いかがお過ごしでしょうか。修理スタッフ塗装担当の佐藤です。
梅雨が明けましたね。巷では若者達は夏休み。テレビもラジヲも行楽ムードで大変浮かれておりますね。
と思ってみれば来週で8月ですね。山猿育ちの私ですが、海より山の方が好きだと豪語する割にはインドア派です。
昔は虫捕り少年でしたが、今となってはテントウムシしか触れません。プッツンすればゴキブリは殴れます。蜘蛛は無理です。

そんな季節、修理スタッフ一同、現実を見据えて仕事に励むべく日々が続いております。汗で肌がコーティングされております。
それでも私は長袖のポリシーは守ります。個人的なプライドです。

お陰様で数多くのお客様にたくさんの家具達をお買い上げ頂いております。誠にありがとうございます。
さて、今回はそんな天板物家具の塗装について更に解説いたしましょう。天板についてです。
以前剥離再塗装のデスクの話を致しました。結構前です。今回は剥離をしない塗装方法の一つをご紹介致します。
少々解説が長くなるので今回は久々の連載投稿にします。さて、まず今回は先に使う道具を紹介しましょう。

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IMG_4096_20170724232920e98.jpg ウレタン塗装とは違い、主にシェラックでの塗装をメインとするアンティーク家具修復では比較的体に負担の少ない溶剤を用います。
「あるこ」はアルコール、「としん」は塗料用シンナーです。染料やシール跡などのいわゆる石油系(油)汚れはシンナー、塗装面(シェラックニス)はアルコールを使用して剥離します。全て剥がす場合は「ラッカーシンナー」という強力な溶剤を使います。皮膚を浸けるとふやけて真っ白になります。日焼けは治りません。

大体はアルコールで薄く剥離することが多いですが、今回は特別に個人的に用意したイギリスメーカー製のメンテナンス溶剤を使ってその結果を確かめたいと思います。その理由は第二編でお話いたします。

少々見えづらいですが、右端の白いボトルです。一本2500円ほどします。1/3は盛大にぶちまけて床ベニヤ板のシミとなりました。最高の贅沢です。涙が枯れました。高級ワインを床にご馳走してあげた気分です。絶対にマネしないでください。

商品名にも「Furniture Cleaner & Reviver」と記載があり、あくまでクリーニング用のものなので他の溶剤と比べると落とせる表面の量はたかがしれています。そこで左のスチールウール(台所掃除でおなじみ)を使って表面を削りつつクリーニングします。これは他の溶剤でも同じ組み合わせを使います。

あとは拭き取り用のウェース、そして天板の表面を削って慣らすケンマロンを用意して作業にとりかかります。

 それでは次回をお楽しみに。