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飾りじゃないのよメーカーラベルは。

2017/05/17 | 修復スタッフのこぼれ話

5月17日 佐藤大文

大変久方ぶりです。皆様、ご機嫌いかがでしょうか。港北倉庫塗装の一角を担っております。佐藤です。
前回の更新から我々港北倉庫スタッフ一同、度重なる出来事を体験して参りました。

4月!!!桜が咲いて散りましたね。5月現在!!大型連休が終わりましたね。それ以外何も無かったですよね。
あと韓国、フランスと大統領が変わりましたね! それから新人さんが…。

それより5月中旬なのに朝晩が冷え込みがございます。時に昼は蒸し暑く、相変わらずの寒暖差は未だ健在のようですね。
こういう時期だからこそ家具塗装における乾燥には気を使う事も多くなります。皆様も家具のメンテナンスをお大事になさって頂ければ幸いかと存じます。

さて、今回は塗装作業中の視点から一つ小話を申し上げたいと思います。
家具には職人さん個人が仕上た物から、キャビネットメーカー(家具製造企業)が製作した物とあります。たまに個人で作られたものに関しては刻印か名が彫られていたりと謙虚に誇示されているものがありますが、特に箱物や天板物等に関してはキャビネットメーカーのロゴが貼り付けられている物も多数あり、コンディションによっては綺麗に残っていたりするのですが何より目を惹くのはそのロゴデザインそのものなのです。

プレートの形状、材質、色、ロゴのレタリングデザイン、レイアウト、それぞれがその家具の品格を上げる役目を担っているように感じます。家具に張るロゴ一つにも出し惜しみせずセンスを光らせる。キャビネットメーカー方、本当に感服いたします。無論、こういったものの風合いも活かして塗装を致します。

ちなみに同じメーカーでも違ったロゴが使われている場合もあります。それもまたその家具の年代を調べる手がかりにもなるかもしれませんね。

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…これはクールな血統書ですねぇ…。いや実に羨ましいィ。アンティーク家具達が生まれ持っているセンスのいい洒落た名刺とでも例えましょうか。家具選びの楽しみに一つ、加えてみてはいかがでしょうか。
そんなクールさにあやかって人間の我々も二の腕辺りに一ついかがでしょうか。桜吹雪よりハードルは低いと思います。やるかどうかは各自の決断にてお任せします。私ですか?既にありますよ。左腕に年季の入ったBCGが。20年前に、ええ。

あと、上記の画像での紙ラベルに関しては張り物の椅子で、座面のフレームに貼られていたもの。生地を張ってしまえば見えなくなる箇所ではありますが、それを拝めるのも我々修復作業の楽しみの一つでもあります。
お客様の中にはどんなに経年変化や過去の塗装修理の繰り返しで認識が難しいくらいに痛んだラベルでも残して仕上て欲しいとの要望も頂きます。ありがたいことですね。

こんな小さなパーツでこんなに語ってしまいました。小さな発見を広大な好奇心にして皆様が良い家具と巡り会えますよう願っております。
私も小さなミスの繰り返しで大きな穴に落っこちないように仕事をしていきたいと思います。

それではまた。