5月6日 瀬藤万里絵
藪から棒ですが、最近舞楽と雅楽の動画を見返して、
私の中でブームが再到来しています。
もともと洋の東西を問わずお面やマスクが大好きですが、
舞楽の面もなかなか面白いものが多くて心惹かれます。
安摩や蘇利古の雑面は未だ由来が謎めいたまま、異様な雰囲気を纏っていますが、
見慣れてくるととても可愛らしく思えてきます……
蘇利古は、実はご覧になった方多いのではないかな?と思うのですが、
気になられた方は千と千尋の神隠しに出てくる春日様のお面、よく見てみてくださいね。
雅楽特有の次元を超えたような壮大な音色と、
独特の動きがたまらなく、何度も見返してしまいます。
個人的に特に好きなのは、蘭陵王と抜頭です。
無駄を削ぎ落とした動きの中に、力強い情感が感じられて、
息をするのを忘れてしまいそうな時があります。
一見シンプルに見える動作は、実は人が自然に楽に動くときのノイズを
徹底的に排除した、とても緻密なものなのだと思い知らされます。
シンプル・イズ・ベストとはよく聞きますが、
そのシンプルとかいうもの、実はとても難しい……と、哲学気味の今日この頃です。