GEOGRAPHICA

「張りー・ポッター と 張り待ちビューロー 」

2017/03/27 | スタッフの日常

3月27日 佐藤大文

ご無沙汰でした。塗装部の佐藤です。皆様、その後いかがお過ごしでしょうか。花粉症でしょうか。
気づいたら3月になっておりました。先月は半ばで引越しを突然思い立ったが為に日々の作業に追われながら、休日は引越しに係るアクション諸々をこなし続けました。そんなわけで浦島太郎のように2月はあっという間に過去になりましたとさ。

さて、今回は番外編。ビューローのレザーとフラップの受けに張るフェルトについてさらりとお話します。

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弊社では張り替えに使うレザーは合皮のものを使用します。アイテムによっては英国で作られているレザーを発注して張りかえる物もあります。今回はスタンダードなビューローにスタンダードなレザーの仕様です。
右の画像でせり出している材がビューローのフラップ(開閉天板)の塗装面から傷をつけないように支える為の部材です。茶色のフェルトを張っております。

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フェルトにも種類があり、緑は厚みがあり丈夫なので、天板裏などが塗装面と擦れる場合干渉する箇所に使用します。黒は緑のように厚みがありますが、主に引き出しの中のラシャ張りとして使います。最後に茶色は薄手で、負荷のかかりが少なく細かな箇所の緩衝用として使います。今回は天板の支えとして使うのと、収納時に引っかからないよう茶色のフェルトを選択します。
特に特別な作業ではありません。裁断したらボンドで貼ります。

IMG_3892.jpg  レザーの張り方についてはまた別途お話致しましょう。ちなみに接着に使う物は今ではボンドや自然素材の”のり”が主流ですが、昔は膠という動物の死骸から出る骨や皮を乾燥させて粉末にしたものを煮た物が主流として使われておりました。今でも使われることは多くあり、クラフトマン達は各々で適材適所に道具を選択して作業をします。

裁断にもカッターを使用しますが、鉋で木を削ると同じくその度に刃の薄さ、角度など自分の手と道具の連携の程度で左右するミクロの世界を意識しなくてはうまくいかない事もしばしばあります。
材を無駄にしない為にはそのような気構えも必要不可欠なのです。「勿体無い」は万国共通の意識です。日常生活でもあやかりたいですね。








引越しの際にいろいろな物を処分しましたが、なるべく無駄な物は買わないように心がけたいと思います。とりあえず3年前に買ったゴミ箱をゴミに出して新しいゴミ箱を買い揃えたいと思います。新生活のフレッシュマン達が楽しそうに家具量販店で物色する様を横目に見ていましたが最近の若者は小金持ちで羨ましいですね。でもこうして日本の生活水準はもっと豊かに成長していって欲しいものです。海外と比べればまだまだ発展途上なのですから。

それではまた。