7月10日 萩谷優
「肝だめしきらいなひとと手をつなぐ」
伊藤園「お〜いお茶」の外装ラベルに掲載されていた俳句が心に止まります。
詠み手は12歳の女の子(多分)です。
「肝だめしきらいなひとと手をつなぐ」
「きらいなひと」と肝試しのペアもしくはチームになってしまった女の子が
きらいなんだけど怖いから手を繋いでしまう光景が可愛らしく、
またその程度の他愛の無い「きらい」が微笑ましく感じます。
お陰で少しは打ち解けたのではないだろうか、と慮る気持ちも湧いてきます。
しかしここまで思いを巡らせてから、
「きらいなひと」は反語ではないだろうか?と思い当たりました。
つまりこれは思春期特有の素直でない感情を詠んだものではないかと。
手を繋ぐ事になった「きらいなひと」は同じ年頃の異性なのか、または親や教師の類なのか、
その辺りはわかりませんがいずれにしても少し複雑な感情を抱いている対象なのでしょう。
『肝だめしきらいなひとと手をつなぐ』
真夏の夜、その誰かと肝試しに行き、手を繋いだ。
そこで何を思い、どんな会話を交わしたのか?
こうなるとどう転んでも先程よりぐっとスパイシーで、
美味しいビールが飲めそうです。
お茶 / hiyang.on.flickr