GEOGRAPHICA

色味

2012/06/29 | 修理

6月29日 安田慎平

今回塗装するこちらのグラスキャビネット。

キャビ1

既にSOLDですが、お客様から色味の指定がありました。
「少し色を濃くし、深みを持たせて下さい。」

色の深み…。
料理で言えば、コクを出す・ダシを効かせる、といった所でしょうか。

単純に色だけを濃くすると不自然になるので、今回はステインとニスの調合に気を配りました。

キャビ2

↑こちらの端材に2種類のステインを入れてみました。
左は通常何も指示が出ていなければ使っていたであろうライトオーク色の物です。
右は今回の為に調合した物。
黄金色に近いウォールナット色と、赤みの効いたレッドマホガニー、濃さを出す為
少量のダークオークを混ぜました。

これを全体に入れます。

キャビ3

思っていたよりも濃さは出ませんでしたが、大方予想通りの手応えです。

この後はシェラックニスを入れていきますが、ここでも調合したニスを入れます。


キャビ4

右が通常の色。元々飴色がかっています。
左が今回の為の物。黒と赤のニスを混ぜています。

これらを使い、刷毛で丁寧に仕上げてゆきます。

キャビ5

こちらが完成した物です。
最初の段階から少しづつ色味が変わってきています。

料理も極端な味付けは塩辛く感じますよね。
そんな事を考え、参考にしながら進めたアイテムでした。