12月26日朝岡工晴
香りや味覚などで、
五感が刺激されると、ふいに記憶が蘇ってくることがあります。
私の場合、特にそれが鮮明に現れるのが、
冬の朝 冷たく澄んだ空気 に触れたとき。
不思議なのは、
そのほとんどが、思い出となるような特別な体験ではなく、
忘れ去っていた、ただの日常の記憶であるということ。
共通しているのは、日々の中で感じる心地よかった という瞬間。
当人は無意識でも、、
脳はそれを必要と判断し、いつの間にか記憶に刻み込んでいる訳で、
深層では、僅かな感情の動きを敏感に感じ取っているのでしょう。
そんな記憶のメカニズムというものは、とても興味深いものがあります。
朝の冷えきった空気に触れ、吸い込む。。
どうやら無意識のうちに、感じるポイントがあるようで、
それが心地よいときは特に、
いくつかの冬の日の情景の記憶が、驚く程鮮明に蘇ってきます。
あの日から、多くの人達と同じように、
普段の生活を見つめ直し、そのありがたさを実感する日々ですが、
冬の冷たい空気に触れて、また改めて気付かされたような気がします。
朝、店の前の落葉を掃きながら、そんな思いがぐるぐる回っていました。