11月29日 駒村佐和子
船大工で棟梁をしていた母方の恐い恐い祖父とは対照的に、戦前は銀行に勤めていたという父方の祖父はほとんど口をきかない大変静かな人でした。
子供の頃の父がそんな祖父の書棚を漁っていたある時見つけたという本
『忍者になる方法』。
「親父もくだらない本持ってんな~」と父は思ったそうですが、これなら出来そう!と思い実践してみた(!?)のが“高く跳びあがる術”
まず庭に高く育つ木の苗木を植えて雨の日も風の日もそれを飛び越えます。
やがて木の成長と共にいつしか屋根の高さに飛びあがれるようになる!というもの。
そして父はどうなったか?
≪物凄いジャンプ力がついた!≫らしいのですが、そのうち止めてしまったのだとか。
危なかった…そのまま忍者を志していたら私は誕生していなかったはず。
なんと今日は無事に?35回目を迎えた私の誕生日です。
努力家で尊敬する大黒柱となった人の娘は…父に謝りたいくらいフワフワとしているものの、忍術ではなく剣術について書かれたありがたい書を片手に、ちょっと良い所に出かけてきます。
今となっては父の記憶の中だけにあるおじいちゃんの幻の一冊『忍者になる方法』。
決して侮れない事を知っている今、叶うなら会いたい一冊なのです。