6月17日 安田慎平
今回はこちらのカウンターの塗装作業についてご紹介致します。
このカウンターは以前に修復がなされ、お店にしばらく置いてあった物です。
一見状態は良い様に見えますが…
正面の塗装が劣化し、所々ポロポロと剥がれてきています。
この塗装面を慣らし、コンディションを回復させます。
この紫の液体はメソッドスピリットという変性アルコールです。
普段は塗装のフィニッシュで使用しているシェラックニスの濃度調整に使っていますが
今回の様な塗面に対しては、表面のニスを溶かすという目的で利用します。
スチールウールに含ませ、下地が出ない様に慎重に擦ります。
この作業を劣化している塗面全体に行います。
その後バランスを見ながら、他の箇所にも適度に磨きを掛け
全体にオイルステインを入れたのがこちら。
余分な塗面は落ちましたが、部分的に色や光沢のムラが出ています。
これらを微調整し適度な光沢感でまとめます。
塗面も定着し、無事作業完了です。
今回の様なケースは全体の塗装を剥離してしまうよりも、部分的にバランスを取る事により
アンティーク家具の質感を保ちながら仕上げる事ができます。
質感… 重要です。