9月13日 萩谷優
その昔貧乏学生だった頃、
汚い僕のアパートでわいわい集まっていたある夕方の事
「あー腹へったー!!」
と一人が騒ぎ出し、勝手に台所にあるもので料理を開始。
とは云え、食材らしいものは何もなく、
アイツどーすんのかなと思い待つこと約半刻
そいつが僕らに持って来たのは、具の無い「すいとん」でした。
しかし小麦粉をこねて醤油汁に落としただけのそれは
細かいことは覚えていませんが結構美味しく、
皆であっという間に食べてしまった記憶があります。
そいつが自慢げに言うにはごま油も入れたらしく
それがまたほんのり効いて汁まで飲み干しました。
今、どれだけ頑張って同じ様なものを作ってみても
きっと絶対に再現することはできないでしょう。
そういう種類の美味しさでした。