4月7日 山下美文
今回は世田谷区にお住まいのお客様よりダイニングテーブルの天板塗り替え修理を承りましたので、その作業工程をご紹介致します。物はミッドセンチュリーの物です。ミッドセンチュリースタイルの物は木工、塗装共にデザインと使用されている塗料の関係で修復が困難な場合がありますが、こちらはご依頼の方のお母様から受け継いだ物との事(実は修復の仕事をしておりますとこう言うのに弱く、なんとか修復したいと思ってしまうのですが、、)。ミッドセンチュリーが流行した初期の頃に作られた物と思われますが、作りもしっかりしており、塗装の塗り替えも可能でした。
ご依頼を受けた時の状態です。
この手の物は剥離剤を使うと大きなシミになってしまう場合が有りますので、端の方から少しずつ手作業でスクレーパーでオリジナルの塗装面を剥がして行きます。
サンダーで残った全ての塗装を剥がします。最初からサンダーを使用しないのは、サンディングマーク(サンダーによるキズ)を少しでも付けたく無いからです。このあとサンドペーパーを木目に沿って粗いペーパーで付いてしまったサンディングマークをしっかり落とし、150番から240番のペーパーまでしっかり手作業でかけて行きます。
剥離する前に色の入り具合を確認して有りますので、既にその段階でどの塗料を使用するかは決めて有ります。今回はオイルステイン(着色剤)を使用せず、シュラックニスのみで刷毛塗りで仕上げて行きます。
拡張用天板のオリジナルの色ともOK.(こちらは塗り替えしていません)
最後にお客様のご依頼で塗装面を少し強くするため特殊なラッカーを使用して(別料金になってしまいますが、、)仕上げにアンティーク家具用のワックスをかけて終了です。
お客様にも喜んで頂く事ができてとても良かったです。修復冥利に尽きます。
大変、有難う御座いました。