8月2日 朝岡工晴
納品へ向かう道中のこと。
広くないが、抜け道として意外と通行量があるその道は、
一台の路上に停止した車により、軽い渋滞が発生していました。
後続車が次々と、両方向の先頭車両はなかなか抜けられない様子です。
待ちきれない後続ドライバーのおじさんは
車を降りて先頭を覗きに行っています。
遠目に見えるその現場は 簡単に抜けれそうでしたが、
運転席に年配の女性ドライバーが見えたので、長い渋滞を覚悟したその時。
その現場の真横に、夏用の青い制服姿のその人を見つけました。
事故や渋滞を未然に防ぐ為に、交通整理をするのも彼の職務の一つ。
きっとこの後ピピーっと笛を吹いて、ものの2分で解決してくれ、、、
道いっぱいに車が寄っているため、その人の白い自転車も通行出来ずに
なぜだか それにまたがったままじーっとしています。
真横にその原因があり、その人ならすぐに解決できるはずだが、、
自転車にまたがったままじーっとしています。
前後は車が次々に繋がり始めているのを目の当たりにして
自転車にまたがったままじーっとしています。
きっと犯人を追っている途中で、周りが見えてないに違いない
まだじーっとしています。
もしかして先輩と交代を済ませてお昼に向かう途中、
何を食べようか あれこれ考えているのか
やっぱりじーっとしています。
やがて 少しずつ車は動き始め、ようやく渋滞は解消されそうです。
すると彼も、今日も平穏無事 とばかりに、
軽快に白い自転車で私たちの目の前を通り過ぎていきました。
左胸のお飾りの文字だけがまぶしく輝いていたのでした。