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ジェオグラフィカ -GEOGRAPHICA- │ 東京・目黒通りのアンティークショップ

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アンティーク用語集

アンティーク用語集

ACANTHUS

アカンサス

ACANTHUS

ハアザミの一種で地中海地方原産のキク科の草木です。建築や家具の装飾に良く用いられます。有名な古代ギリシア、ローマの建築様式のコリント(コリンシアン)様式やコンパザット(コンポジット)様式の柱の頭頂部に見られます。英国においては、ルネッサンスが入りだしてきた、16世紀末から現在に至るまで家具や建築の装飾に用いられています。エリザベシアン後期のブルボーズレッグといわれる玉状の脚部に彫刻されたり、18世紀中頃のロココ様式の流行とともに家具の様々な部分にやはり彫刻されたりしました。

ANTHEMION

アンセミオン

ANTHEMION

古代ギリシアの建築装飾から取り入れられました。忍冬の花をモチーフの中心に草木の蔓が伸びており、様々なパターンがあります。忍冬唐草紋様の原型とも言われています。

ANTIQUE

アンティーク

よく”100年以上たった物をアンティークと呼ぶ”と聞くことがあります。実はこれはアンティークとは全く関係の無い所からきており、正確にアンティークを定義していません。以前世界貿易機構(WTO)が”100年以上経った古物には関税を掛けない”という決まりを作りました。ここから何故かアンティーク=100年以上経った物という誤解が生まれました。これでは道端に転がっている、何億年も前に出来た石ころも全てアンティークになってしまいます。それではアンティーク家具の正しい定義とは?本場ヨーロッパの美術館等では、年代的には第一次世界大戦以前(1914年)とされています。実際は1930年代まで含まれている場合がほとんどです。そしてここからが重要なのですが、“その家具がある一定の時代に作られた事を証明できる、当時の流行(様式や装飾)、技術(構造や彫刻等)、材質等の要素を内包している”ということです。一つの家具を見た時、使われている材、構造、装飾からその家具が何年代の家具であるという事がわからなければアンティーク家具とは言えないという事です。時代性を持たない古い家具はただの古い家具であり、アンティークとして価値を見出す事は出来ないのです。よって、例えば時代設定以降の1960年代に作られた家具が、未来において1960年代の特徴を残し、今後も継承していくに値するだけの素晴しいものであれば、今後アンティーク家具として扱われる可能性が有るという事なのです

APPLIED MOULDING/ORNAMENT

アプライドモールディング/オーナメント

APPLIED MOULDING/ORNAMENT

1660年以降のレイト ジャコビアン期から流行した装飾方法です。貼付け面材、装飾となります。ルネッサンスの影響を受け、幾何学模様に面材を引出し正面等に貼付けました。これは製材技術の進歩によって以前よりも薄板が製材出来る様になり、厚材から削り出す労力と材料の無駄を省き、軽量化にも繋がりました。

ASH

トネリコ

日本原産種の一つです。木材としては弾力製に優れ、バットや建築に使用されます。ASHとは同じトネリコ属の西洋トネリコの事を指します。 北欧神話では世界樹として登場したり、ドラキュラを倒す木杭はトネリコでなければならないと、、、宗教的に引用される事が多い木です。イギリスではCROMWELLによる宗教革命後に各地方において作られたレリジョナルチェアーと呼ばれる素朴な椅子に多く使用されていました。

BACHELOR

バチェラー

独身者、学士号等の意味があります。家具においては既述のBACHELOR'S(独身者用)CHESTとなり、CHEST OF DORAWERS(チェストオブドロワーズ)の天板部分が開き内部が細かく仕切られていて、カフスやハンカチなどの細々したものを収納しました。別称としてDRESSING CHESTという言い方もあります。

BAKELITE

ベークライト

世界で初めて植物以外の原料をもとに人工的に合成されたフェノール樹脂由来のプラスティック。アメリカ人科学者ベークランドにより発明され、1910年頃から多くの工業製品、耐久消費財に使用されはじめ、1920年代からその製品特性と合致するデザインであるアールデコ様式を模した家具のハンドル等にも多く用いられました。

BALUSTER LEG

バラスターレッグ

BALUSTERは建築用語で欄干の縦棒の事を指します。1600年代初頭からこのデザインが家具の脚部やアプライドオーナメントや椅子の背のデザインに使用されました。現在においても良く見る事が出来るモチーフです。

BARLEY SUGAR TWIST

バーリーシュガーツイスト

BARLEY SUGAR TWIST

17世紀中頃から流行した装飾です。捻った砂糖菓子の形が原型と言われています。オランダオリジンのデザインで、フランスやオランダに亡命していたチャールズ2世の王制復古と共にイギリスにもたらされました。

BEECH

ブナ

高さ30m程に達する落葉高木で日本に広く分布しています。近年当てられた橅という文字は「木では無い」と書かれ、ここからもわかるように木材としては下等材として薪や欅の代用材として使われました。しかしブナはその性質上水分を多く保有する事ができ、ブナ林のある所は清水に恵まれると言われています。その為製材後腐り易く、加工後に曲がって狂い易い性質がありますが、これを利用して作られたのがミヒャエル トーネットに代表されるベントウッドチェアーなのです。またブナは釘やネジ等の食い込みが良く、ソファー等の骨組みにも使用されます。

BEESWAX

ビーズワックス

蜜蜂(働き蜂)の分泌腺から分泌される巣を構成する為の蝋を精製したものです。化粧品等の原材料にも使用される天然由来のものですから、当然身体や木材にも優しいのは当たり前です

BENTWOOD

ベントウッド

BENTWOOD

曲げ木という意味です。前出のブナ材を主材料とし、その曲がり易い性質を利用して作られました。ラインラント地方に生まれたMICHEAL THORNET が1819年独立工房を構え、その後1830~43年の間曲げ木製法の研究を続け、特許を取得し、曲げ木だけで作られた家具を世に送り出しました。基本的にパーツ別で作られ、組立てる方法だったので大量輸送に適しており、破損交換の際はそのパーツ部分のみの交換が可能であり、軽量であり、大量生産も可能と言う事で、当時ヨーロッパで盛んであった観劇文化やカフェ文化の流れに乗り大きく発展しました。

BOBBIN TURNING

ボビンターニング

BOBBIN TURNING

挽き物加工デザインの一つです。17世紀初頭に流行しました。当時羊毛産業が盛んであったイギリスにおいて、毛糸を巻いた糸巻きの形が原型と言われています。家具の脚部やアプライドオーナメントのデザインに良く使用されます。

BRACKET FEET

ブラケットフィート

BRACKET FEET

17世紀前半から流行した家具脚部のデザインになります。ブラケットは建築用語で棚等を支える腕木を意味し、またコの字型の囲みを指しました。正面と左右にブラケットフィートが廻り、その台座の上に家具が座るイメージです。そのデザインによりオージーブラケットフィートやスプレイブラケットフィート等の個別の名称もあります。

BRAGANZA FEET

ブロガンザフィート

BRAGANZA FEET

17世紀後半に流行したポルトガル由来のデザインです。チャールズ2世の王政復古の際、ポルトガル王女キャサリン オブ ブロガンザとの婚姻がなされ、御輿入れの際同行してきたポルトガルの職人によってもたらされました。

BULBOUS(BULB)

ブルボースorブルバス

BULBOUS(BULB)

ブルボーズまたはブルバスと呼ばれ、言葉の意味は球根状の、膨らんだ、となります。家具の用語においては16世紀中頃より様々な家具の脚部や柱、天蓋付きベッドの柱などの一部に使われた、玉状の部分を指します。ガドルーニングやアカンサスリーフの彫刻が彫られたものもあり、俗称でカップアンドカバーやメロンバルブ、メロンレッグなどとも呼ばれています。

BUN FEET

バンフィート

BUN FEET

BUNとはハンバーガーに使用される様な丸平型のパンの事を意味しています。正しくその形状の脚が18世紀初頭より流行しました。

CABRIOLE LEG

カブリオールレッグ

CABRIOLE LEG

日本でもお馴染みの猫足のことです。語源的にはフランスの舞踏用語で飛び跳ねると言う意味で、さらにさかのぼるとイタリア語のCapriolaとなり、山羊が飛び跳ねることを意味します。動物の脚でも猫ではなく山羊に由来するんですね。英国には17世紀末にもたらされ、その後のクイーンアン様式を代表するデザインの一つとなりました。その後のジョージアン期を通しても良く用いられ、現在に至っても大変ポピュラーなデザインとなっています。

CANING

ケイニング

CANEとは竹やトウ等の細長い茎を意味し、それを編んで家具の一部に使用する事を指します。1600年のイギリス東インンド会社の設立後、東洋の文物がイギリスに流れ込み、17世紀中頃から第一次東洋趣味(シノワズリー)が流行しました。中国や日本から竹編みやトウ編み細工の物が輸入され、折しも1666年に起こったロンドン大火後の復興において、家具の軽量化も兼ねて椅子の座面をトウ張りにする事が流行したのです。

CARTOUCHE

カルトューシュ

CARTOUCHE

楕円形の宝石の様な装飾を指します。デザインの原型は古代エジプトに於いて聖なる名前を囲んでいた枠と言われています。18世紀中頃からのネオクラシカルスタイルの流行により古代ギリシア・ローマや古代エジプトの建築様式を家具の装飾に取り入れることから始まりました。

CAST IRON

キャストアイアン

鋳鉄。2%以上の炭素を含む鉄合金。鋳型に流し込み成形する鋳造に適しています。これと相対するのが鋼鉄(STEEL)で、2%未満の炭素を含み鍛えて強くなる鉄です。

CLAW&BALL FEET

クロウ アンド ボール フィート

CLAW&BALL FEET

18世紀中頃より興る第二次東洋趣味の影響により家具の脚部に取り入れられたモチーフです。鳥の脚の様に見えますが、龍が智恵の玉(パール オブ ウィズダム)を握っている様子です。

COCK BEADING

コックビーディング

COCK BEADING

引出し正面の縁を囲む薄い板状のパーツを指します。今迄無垢材で使用されていたウォールナット材でしたが、18世紀に入り、その独特な杢目の美しさから突き板として多く使用される様になりました。引出し正面や扉面等にも左右対称の杢目で突き板を張り、装飾的に見せる工夫が始まり、縁の部分が剥き出しであると、ちょっとした引っ掛りから突き板が剥がれてしまったりしたので、それを克服する為に縁を露出させない様にコックビーディングが回されたのです。

COLUMN

コラム

COLUMN

円柱、特に古代ギリシア・ローマの神殿建築等で使用された円柱を指します。18世紀中頃よりネオクラシカルスタイルが流行し、古代神殿建築のモチーフが家具の装飾に取り入れられました。特に代表的な建築様式を5大建築様式(FIVE ORDER)と呼びます。

CORNICE

コーニス

CORNICE

建築用語で軒を意味します。日本では支輪とも呼ばれます。古代神殿建築を範にすると、三角形の屋根正面(ペディメント)の下にある張り出し部分であり、家具でいうと最上部の張り出し部分(軒)を指します。やはりこれも18世紀中頃より流行したネオクラシカルスタイルの影響です。

CREST RAIL

クレストレイル

CREST RAIL

CRESTは鳥のとさかや山の頂上部を意味します。このことから家具では椅子の背の最上部の横木の事を指します。

CUTLERY

カトラリー

CUTLERY

総称として食卓用の金物類を指します。ナイフやフォークなどを収納する小振りな壺型や箱型の家具をCUTLERY CASEやKNIFE CASE などと呼びます。

DENTIL

デンティル

DENTIL

建築用語で前出のコーニスの下のフラットな面をフリーズと呼び、そこに良く用いられる装飾を指します。字面からもわかる通り、歯を並べた様な装飾で、やはり古代神殿建築から取られたモチーフです。

DOVETAIL JOINT

ドブテイル ジョイント

DOVETAIL JOINT

日本では蟻組と呼ばれます。引出しの接合部に見られる組の事で、イギリスではこの形状を鳩の尾に見立てています。構造上引く力に強い為、引出し等の組みには最適とされますが、手間が掛かる為現在では殆ど行われなくなっています。

ELM

エルム

楡(ニレ)の事を指します。20〜45種類もあると言われており、北半球の広範囲に分布しています。楡の全ての種類は土中のph(ペーハー)に対する耐性が強く、よって腐食にも強く、杢目を絡みあっている事から分割に抵抗力があり、その性質から椅子や棺等に使用されます。イギリスでも17世紀の早い時期から、特にカントリーサイド(地方)で家具材として使用されてきました。

ESCUTCHEON

エスカッション

紋章学用語としては盾型の紋様を指します。最初は家具装飾に使われた盾型の装飾を指していたのですが、良く鍵穴を伴っていたので、後年鍵穴を保護し、装飾も兼ねる鍵穴金具を総称してエスカッションと呼ぶ様になりました。

FLAP

フラップ

片方が固定されていて、垂れ下がったり、垂れ上がって水平になる面部分を指します。家具ではビュロー等の蓋が開いて、腕木の上に座り、水平になる部分を指します

FRETWORK

フレットワーク

FRETWORK

FRETとは糸鋸の事で、作り出される格子柄や革紐を編んだ様な透し彫りや地彫りの装飾を総称して指しています。透し彫りのものをピアースド(PIERCED)フレットワーク、地彫りのものはブラインド(BLIND)フレットワークと呼ばれます。デザインの原型は古代ギリシア/ローマ建築のグリーク/ローマンキーと言われています。

FRIEZE

フリーズ

FRIEZE

建築用語では古代建築の柱の上の長押(なげし)に相当する部分との事です。判り難いのですが壁や柱の上の帯状の平面部分を言います。古代神殿建築で言うと、ペディメントと呼ばれる三角屋根と柱の間にある前出のコーニスの真下にくる帯状平面部分です。ここにやはり前出のDENTIL等の様々な装飾が施され、それらが家具の様式にも取り入れられました。

GADROON(GADROONING 又は NULLING,LOBING)

ガドルーン、ガドルーニングorヌーリング、ロビング

GADROON(GADROONING 又は NULLING,LOBING)

家具にほどこされる装飾(彫刻)の一種です。よく家具の天板の縁やブルボーズ(又はブルバス)といわれる脚部の装飾に使用されています。これはミカンの房のような形状が連なっているもので、16世紀のエリザベシアンやジャコビアン様式の家具で使われたブルボーズといわれる玉状の脚部の装飾で、その玉状の上部にこのガドルーニングの彫刻が施され、丁度剥いたミカンを真ん中から水平に切ったような感じです。この下部にはアカンサスリーフの彫刻がよくセットでついていました。これを俗称ではカップアンドカバーやメロンレッグなどと呼んだりする人もいます。18世紀頃までよく家具の装飾に使われ、Chippendale(チッペンデール)もマホガニー材で作ったロココスタイルの家具の天板の縁などに好んで取り入れていました。

GEORGE HEPPLEWITHE(?~1786)

ジョージ ヘップルホワイト

生年は不明です。家具職人であり、デザイナーであったと言われています。あまり多くの事は彼について知られていませんが、事実として解っていることは彼がイングランド北西部にある著名な家具制作工房であったGillows of Lancaster(ギロウズオブランカスター)に年季奉公の修業に出ていたことです。その後ロンドンに現れ、Cripplegate(クリップルゲート) に店を開きました。1786年に彼は亡くなっているのですが、事業は彼の未亡人に引き継がれました。実は彼の有名な"The Cabinet maker and Upholsterers' Guide"は彼の死から二年後に発刊されました。 300種類近いイラストを載せたデザインブックで版を重ね、当時流行した四角い背を持つ椅子のデザインが多数掲載されていました。これらの本に実際どれだけ彼自身のデザインがあったのかは現在疑問視されています。しかし首都より離れた地方の家具メーカーや職人がわざわざ高い旅費をかけてロンドンに来ずとも、当時流行のスタイルを把握し取り入れることができ、またネオクラシカルスタイルを全国に広めるというメリットはありました。一般的によく言われるシールドバックチェアーやオーバル(楕円形)バックチェアーなどが彼の代表的デザインであるということにはあまり信憑性はありません。しかし英国皇太子の紋章であるPrince of Wale's feathersといわれる三枚の羽根を合わせたデザインを家具に取り入れたのは彼が最初であると言われています。

GLAZING BAR

グレイジングバー

GLAZEとはガラスを嵌めるという意味です。ここから家具におけるガラス扉の桟の事をグレイジングバーと呼びます。現在ではフローティング工法と呼ばれる方法で理論上はどんな面積のガラスでも作れるのですが、以前はガラスの大きさに限界があり、それを克服しながらも装飾の一手法としてグレイジングバーが発展しました。ガラスの桟のデザインにも各年代の特徴があります。

GREEK/ROMAN KEY

グリーク/ローマンキー

GREEK/ROMAN KEY

雷文模様の事を指します。古代ギリシア/ローマの建築において前出のフリーズ部分に良く使用され、それが家具の装飾にも影響を与えました。良く中華紋様と言われる方がいらっしゃいますが、良く見比べてください。全然違いますよ!

GUILLOCHE

ギロッシュ

GUILLOCHE

紋章学用語で輪繋ぎ紋様の事を指します。やはりそのオリジナルは古代ギリシア/ローマ建築に求められます。連続する輪は永遠性の象徴でもあったのでしょう。横並びに連続する8の字を連想させるギロッシュは特にアーケーディング(ARCADING)と呼ばれました。アーチ型の屋根が連続する商店街=アーケードの語源でもあります。

HUSK

ハスク

HUSK

穀物の籾殻を指します。その形状から麦や米を想像していただければ判り易いと思います。豊穣の意味が込められた装飾ですね。その原型はやはり古代ギリシア/ローマ建築に求められます。イギリスでは18世紀中頃より流行したネオクラシカルスタイルで多用されました。またその形状が忍冬(HONEYSUCKLE)の花びらにも似ている事から混同が進みました。縦に連なるハスクの装飾をペンダント オブ ハスクス、ドレープ状になってるものをスワッグ オブ ハスクス等と呼びます。

INLAY

インレイ

INLAY

家具の装飾方法の一つです。その起原は古代エジプトまでさかのぼることが出来ます。無垢材に模様の型の彫り込みを入れ、そこに種類や色の違う木や象牙をはめ込みました。言葉の意味としてもはめ込むやちりばめるなどとなります。英国においては17世紀初頭から椅子の背や家具の扉などに好んで用いられました

IVORY

アイボリー

象牙のことを指します。1989年ワシントン条約により最大の象牙輸入国であった日本への輸入禁止処置が取られ、事実上象牙貿易は終了しました。家具の装飾方法にインレイ(象嵌)やマーケットリー(象嵌張)等の技法が有り、材料の一つとして象牙が用いられていました。

JAPAN

ジャパン

日本の国名の英語表記ですがもう一つ意味があります。日本を代表する天然塗料の漆です。世界には天然塗料は2種類しかありません。この漆と後述するシェラックニスです。1600年のイギリス東インド会社の設立後、17世紀後半より第一次東洋趣味が興り、漆器や様々な文物が輸入されました。日本漆器の持つ深く透明な漆黒、螺鈿や金銀を散りばめた蒔絵細工に当時のイギリス人は魅了されたのです。しかし漆の精製方法や保管方法や特殊な乾燥方法が上手く伝わらず、漆工芸はヨーロッパで花開く事はありませんでした。そこでシェラックニスに顔料を混ぜ漆を模倣する事が行われ、これをJAPANING(ジャパニング)と呼んだのです。

LADDER BACK

ラダーバック

LADDER BACK

ラダーとは梯子の意味です。梯子状の連続する横桟のデザインが椅子の背に用いられました。17世紀中頃の共和制時代に作られたレリジョナルチェアーにその片鱗は見られ、18世紀中頃にかの名工トーマス チッペンデールによりそのデザインは完成されました。

LINEN FOLD

リネンフォールド

LINEN FOLD

16世紀のゴシック様式を代表する装飾です。デザインの源は教会祭壇やその脇に使われていたドレープです。布が折り重なった状態を彫刻したものです。扉の鏡板等に多用されました。

LOPER

ルーパーorローパー

STAYと同様ビューローのFLAP(フラップ)を支えるものです。金具ではなくビューロー本体に仕込まれた引出し式の角棒状のもので通常フラップ部分すぐ下の引出しなどの両脇に仕込まれています。フラップを開いた時に引出され、その上にフラップが水平に置かれます。なかにはフラップと連動して、開くとルーパーも自動的に出て来るような物もあります。

LOZENGE

ローゼンジ

17世紀前半に流行した装飾です。紋章学では単純に菱形とう意味ですが、元々は菱形の咳止めの砂糖菓子が原型と言われています。扉鏡板に彫刻としてやアプライドオーナメントとして多用されました。ルネッサンスの片鱗を思わせる装飾です。

LUNETTE

ルネット

LUNETTE

フランス語で小さな月を意味します。建築では壁面、特に玄関や高窓の上に付く半円形の明り取り窓を指します。よってゴシック様式が盛んだった16世紀に家具の装飾に多用され、その後18世紀中頃からのネオクラシカルスタイルの流行により再登場しました。家具では半円形の中にアカンサスの葉の彫刻をあしらった物が良く見られます。

LYRE MOTIF

ライルモチーフ

LYRE MOTIF

ライルとは古代ギリシアの竪琴を意味します。やはり18世紀中頃からのネオクラシカルスタイルの流行により、建築様式の模倣だけではなく、古代ギリシア/ローマ神話に見られるモチーフ等も家具の装飾に取込まれました。酒と豊穣の神バッカスの竪琴であり、権力の象徴であった太陽神アポロンの竪琴でありました。椅子の背やリージェンシー期に流行したソファーテーブルと呼ばれる家具の脚部に良く見られます。

MARQUETRY

マーケットリー

MARQUETRY

家具の装飾方法の一つです。INLAY(インレイ)とは違い家具本体に模様の型を彫り込むのではなく、様々な薄い突き板を組み合わせたり、突き板のキャンバスに模様の型をくり抜き、そこに色や種類の違う別の突き板をはめ込み、花や様々な模様を作り出し、そのシートを家具本体に貼付ける技法をいいます。英国ではチャールズ2世の治世にその技法が伝えられ、現在においても良く使われています。模様が幾何学的なパターンで構成されているものを特にパーケットリー(PARQUETRY)といい、工程は全く違うのですが出来上がったものは箱根の寄せ木細工を想像していただくと分かりやすいと思います。

MDF

エムディーエフ

MEDIUM DENSITY FIBER BOARD(中密度ファイバーボード)が正式名称となります。木材繊維と特殊な接着剤を合わせて板状にした素材。内層密度が高く重量もあり細かい加工も可能です。現代家具の天板の心材等にもよく使用されています。

MONOPODIA

モノポデイア

MONOPODIA

建築用語です。複合語でMONOは単一の(モノレール等)、PODIAはPODIUMの複数形で台、土台という意味です。古代エジプトの神殿建築に見られたもので、一柱の神の彫刻をあしらった柱や壁が土台となり屋根を支えている構造です。リージェンシー期に入り、ネオクラシカルのモチーフが更に古代エジプトまで遡り、エンパイヤー様式に発展していきました。

MULE CHEST

ミュール チェスト

MULE CHEST

現在で言うブランケットボックスという箱型の家具の下部に引出しが付いた物を指します。英国では17世紀初頭に登場しました。MULEという言葉自体には『ラバ(ロバと馬の雑種)、雑種の、、、』などの意味があります。CHESTからCHEST OF DRAWERSへ派生して行く過程におけるあいのこ的な形状よりこの名称が付けられたと考えられます。

OIL STAIN

オイルステイン

油性顔料着色剤のことです。日本でも様々な物が販売されています。 植物油や第二石油類を使用したもの等です。溶液に顔料を溶かし着色剤として使用します。イギリスでは溶液にTURPENTINE (松脂を水蒸気蒸留して得られる精製油=松精油)に顔料を溶かしたものを使用します。松精油は漢方の湿布薬としても使用される天然由来のもので、それに鉱石の粉や植物の根や樹皮を乾燥させた粉を顔料として溶かし込んでいました。

PATERA

パテラ

PATERA

古代ローマで神酒等を入れた浅い大皿の事を意味し、建築用語では皿状の浮彫り装飾を指します。これが家具装飾にも取り入れられ、イギリスでは王家紋章の一つでもあるテューダーローズが彫り込まれたパテラのオーナメントが好まれました。

PATINA

パティーナ

アンティーク家具を評価する際良く使われる言葉です。訳は様々で古艶、古色、風格、サビや緑青等があてられます。なかなか一言で言い表す事は難しいのですが、風合いという言葉が一番しっくりしているかもしれません。これは古びた汚らしいという事ではなく、家具で言えば、その家具が経て来た長い時間とその間慈しまれ、手入れされてきて状態を指します。ヨーロッパのオークション等でその家具を評価する際にプロポーションの次にくる重要な要素と言われています。

PAW FEET

パウフィート

犬や猫の様にかぎ爪のある哺乳類動物の足を指します。これが家具のデザインに獣足として取り入れられました。イギリスでは王室の紋章の一つであるライオンの足が好まれて使われました。これは未だバロックの影響が残る18世紀初頭から古代エジプトの影響を強く受けたエンパイア様式まで広く流行しました。

PEDESTAL

ペディスタル

柱や彫像などの台座部分を表します。家具用語においては四角柱の形状のものに幅広く使われました。代表的なのはROBERT ADAM(ロバートアダム)デザインのPEDESTAL SIDEBOARDで、サイドボードテーブルの両脇に二対の四角柱の台座が立ち、その上にやはり2対の壺型のカトラリーケースがのった物でした。

PEDIMENT

ペディメント

PEDIMENT

古代ギリシア/ローマ神殿建築の屋根正面部分の三角形の切妻壁を指します。やはりネオクラシカルスタイルの流行によりブックケースやキャビネットの頂上部分に装飾として取り入れられました。

PEW

ピュウ

PEW

教会のベンチ型の座席、信者席を指します。別称でより判り易くチャーチベンチと呼ぶ事もあります。

PIE CRUST

パイクラスト

PIE CRUST

パイの皮という意味です。天板の縁をパイ生地の縁の様に波打った形状に彫刻した部分を指します。

PIGEON HOLE

ピジョンホール

PIGEON HOLE

ビューロー内部の細かく区切られた棚の部分を指します。小引き出しやセンターカップボードといわれる扉付きの収納などが付いている物もありますが、この棚の部分は昔、筒状の書簡などを入れておいた名残りでLETTER HOLE(レターホール)などとも呼ばれます。

PLAQUE

プラキュ又はプラーク

PLAQUE

金属や焼き物の飾り板、小板形のブローチや記章の事を指します。 17世紀中頃よりの第一次東洋趣味により陶磁器がヨーロッパに持ち込まれ、それがフランスのセーブル窯やイギリスのボーンチャイナの発展に繋がりました。彩色された美しい陶板は家具にも嵌め込まれる様になり、その装飾部分をプラキュと呼ぶ様になりました

PLINTH

プリンス

PLINTH

建築用語で円柱や彫像の土台となる方形の台座の一番下の部分を指します。室内壁下部の幅木の事も意味します。日本では台輪と呼ばれ、前出のブラケットフィートの様に平板状の脚が装飾を省きコの字型に組まれ、隙間無く床面と接地する形状になります

PLYWOOD

プライウッド

積層合板=ベニヤ板の事です。英語のVENNER(ベニーヤ)は付き板の事を指します。突き板とは現在では1 mm かそれ以下に薄くスライスした木材です。厚めにスライスした突き板を杢目を互い違いにして重ね合わせた物がプライウッド=ベニヤ板になります。そのベニヤ板の表面に薄くスライスした突き板を貼った物を化粧板と呼びます。プライウッドの歴史は古く、その原型は18世紀中頃まで遡ります。細く、細密な加工や彫刻を必要とした部分に使用した、3枚の板を杢目違いに貼り合わせたスリープライ(3 plywood)という物が始まりで、杢目を交差させる事により強度を上げ、木の性質である反ったり、割れたりを抑制する工夫がなされたのです。19世紀末に入り製材技術が飛躍的に上がり、質の良いベニヤ板が製造され、住宅建築や家具の構造の一部に使用される様になりました。

REEDING

リーディング

REEDING

REED は葦(アシ)の茎を指します。この茎を束ねた様な溝を彫刻で表現する事をリーディングと呼びます。

REPRODUCTION

リプロダクション

複製や再生という意味があります。家具の世界においては日本と英国において指す内容が異なります。英国では文字通りアンティーク家具の複製品の事を指し、使用される材料、構造、加工方法、デザインの細部にわたるまで吟味、復元された家具をいいます。日本においては、その材料にMDFなどの素材が使われていてもクラシック風に作られた新しい家具を総称してリプロダクションと呼ぶ傾向が強いようです。

RESTORATION

レストレーション

再生、復活という意味があり転じて美術品や建築等の修復や復元という意味にも使われます。機能回復だけを目的としたREPAIR(リペア)や 保存だけを目的としたCONSERVATION(コンサベーション)とは概念が違います。年代考証的にも正しい素材、溶剤、方法を用い、その物が経て来た時間を考慮し、適切に手入れをされていた状態に戻す事を主眼とし、機能回復だけを優先させないという事です。よって現時点での修復は、100年後、200年後の修復家が全く同じ方法で再修復が出来る様に修復されなければならず、これを修復のリバーシブル性といい、大変重要な基準となっています。

ROBERT ADAM(1728~1792)

ロバート アダム

建築家でありインテリアデザイナーと家具デザイナーでもあります。スコットランドで著名であった建築家William Adamの第二子として生まれました。最初は父のもとで建築の教育を受け、その後1754年から1758年までイタリアに遊学しロンドンに戻っています。彼の建築における信念は『室内装飾や生地使いの細部に至るまで綿密に計算されることが建築には要求される。』であり、彼の作品の多くは生活重視のデザインではなく、エレガントであり、ある種祭祀的な要素を持っていました。彼の著名な作品の中にはノーサンバランド公爵の為のSyon House, Thomas Chippendale に家具の制作を依頼したイングランドのヨーク地方にあるHarewood House等があります。

ROSEWOOD

ローズウッド

マメ科ツルサイカチ属またはシタン属の木を指します。日本では紫檀とも呼ばれています。ローズウッドと呼ばれる樹種はおおよそ12種類程しかなく、亜種の木材や似た杢目の材がかなりの数ローズウッドして出回っています。代表的なブラジリアンローズウッドの輸入にはワシントン条約の書類添付が必要となっています。茶や紫木地に黒っぽい縞模様が入り、はっきりとした模様が楽しめるため、室内装飾材、家具材や車等の内装材として珍重されています。その名の由来は伐採後香り立つ匂いが薔薇に似ている為に付けられました。木材として密度が高く、硬く加工し難い面もありますが、その希少性と磨くと美しい杢目により高級材として扱われています。また同じく硬く、漆黒の木肌、杢目が美しい黒檀(EVONY)がありますが、これはカキ科の樹木であり、別種であります。

SABER LEG

セーバーレッグ

SABER LEG

SABERとはサーベル、反りを持った刀剣の事を意味します。リージェンシー期に入り、装飾のモチーフが古代ギリシア/ローマより更に遡り、古代エジプトを模倣するエンパイア様式が流行した為に取り入れられたデザインです。古代エジプトの玉座の脚等に見られるこの形状は構造的には弱く、リージェンシー期以降機能性よりデザイン性を重視する偏重が顕著になっていきます。

SERPENTINE

サーペンタイン

SERPENTINE

言葉の意味は蛇(SERPENT)からきて、『曲がりくねった、蛇行した』などの意味があります。家具においてはその意味が示す通り、連続したカーブでできた形状を表すのに用いられます。一般的には中央に凸部がありその両脇の凹部にがつながっている三連続の曲線の形状をさします。18世紀のデザイナー、家具職人によってこのような形状を一部に持つ家具、チェスト、キャビネット、サイドボードテーブルなどが多く作られました。このような家具はChippendaleの"The Gentlemen and Cabinet-makers' Director"の初版と第三版にも見られます。18世紀の終わりになるとSerpentineとともに、弓がしなったような弧(Bow-front)の形状を持つ家具も流行し、HepplewhiteやSheratonが好んで彼等のデザインに取り入れました。

SHELLAC

シェラック

ラックカイガラムシと呼ばれる微細な甲虫が分泌する分泌物です。インド原産で、これをアルコールに溶かした物がシェラックニスと呼ばれ、 17世紀中頃よりイギリスにおいて家具の塗装に使用されました。天然塗料ですので人体に優しく、現在でも化粧品のグロス成分やチョコレートの光沢を出す為に使用されています。ただし余分な成分が一切混入していない(アルコールは全て揮発してしまう為)ので、耐水、耐熱性は弱いのですが、剥離、再塗装が容易である為にアンティーク家具修復のリバーシブル性に大変合った素材と言えます。

STAY

ステイ

家具用の支え金具の一種です。ビューローの上部から前方に開いてライティングスペースとなるFALLやFLAPといわれる部分に良く使われています。形状は何種類かあるのですが、基本的にはFLAP側に固定された金具より棒状の金具が伸び、それが本体側に固定された金具を貫通し開閉とともにこの棒状の金具がスライドし、FLAPが水平に倒れたところで固定されるようになっています。このような機能のものをスライディングステイといい、スライドするかわりに棒状の金具が折れ曲がるものをルールジョイントステイといいます。

STRAP WORK

ストラップワーク

STRAP WORK

家具の装飾(彫刻)の一つです。その起源は現在のベルギー北西部にあるアントワープにもとめられるそうです。織物や建築、本の装飾など様々な分野で用いられました。英国の家具においては16世紀中頃のエリザベシアン期に好んで用いられました。平たい皮紐のような線で構成された様々な模様が帯状に彫刻され、家具の側面部やマントルピース(暖炉)の表面などに施されました。

STRETCHER

ストレッチャー

STRETCHER

家具用語で貫という意味です。本来は伸ばす、渡すという意味ですが、家具の脚部と脚部の間に渡され、補強材の役目をするところからストレッチャーと呼ばれる様になりました。このストレッチャーの形状にも変遷があり、年代測定の一つの要素となっています。

SWAG

スワッグ

SWAG

綱状に垂れ下がった花飾りを指します。全然違いますが形状は神社等のしめ縄を想像していただけれ判り易いと思います。やはり古代ギリシア/ローマの建築装飾の一つで、ジョージアン中期に家具の装飾に取込まれ、彫刻や象嵌の形で使われました

TAMBOUR

タンバー

TAMBOUR

建築用語で傾斜扶壁や擁壁等を意味します。地表に大きな高低差を付けたい時盛り土を塞き止める石積みや木製の壁を指します。段々畑や石垣等を想像していただけると判り易いと思います。それが家具用語では蛇腹状の扉(シャッターを想像してください)を表す様になりました。閉じた時の壁状の見え方からなのでしょうか?明確な根拠は不明です。18世紀後半にフランスで開発され、その後イギリスに伝わりデスクや書類用のキャビネットに使用されました。

THOMAS CHIPPENDALE(1718~1779) 

トーマス チッペンデール

英国の家具の歴史における"GOLDEN AGE OF CABINET MAKER"と呼ばれる時代を築いた一人です。 彼は家具職人でありデザイナーでもありました。1718年イングランド北西部のヨーク地方OTLEYという村に生まれました。父は村大工で、その後ロンドンの家具職人のところに年季奉公に出されます。次に公式記録に見られるのは彼が30才で結婚した時でした。ロンドンのCOVENT GARDEN近くのST. MARTIN'S LANEの地に最終的にショップと木材のストックヤードを併設した大きな工房を開きました。1755年に起った工房の火災の時には22人の家具職人が働いていたそうです。彼を英国家具の歴史において著名にした最大の要因は"The Gentlemen and Cabinet-maker's Director"の発刊でした(1754年)。これは当時流行した家具のスタイルのある種、集大成的な デザインブックで、多くのイラストが掲載され、その後の家具デザイナーにも多大な影響を与えたと考えられます。版を重ね最終的には200種類もの家具のイラストが掲載されるに至りました。彼以前にも家具のデザインブック的なものは出版されてはいましたが、規模、内容的にも到底彼の本と比較になるものはありませんでした。この本に収録されている様々なスタイル、例えばシノワズリーといわれる中国趣味、フレンチロココ、ゴシックリバイバル等ジョージアン中期を代表するスタイルの多くが見られますが、注意していただきたいのは、すべてが彼のデザインによるものではなく、当時流行していた他社製品のデザインなども取り入れたロンドン家具メーカーの総合的なカタログとしてもとらえることができると言うことです。しかし一方では彼の本に掲載されたデザイン画はあまりにも装飾部分が細かすぎて実際にその通りに作られた物はほとんど無いと言われています。また仮に作ることが可能であったとしてもコストがかかりすぎるという反面がありました。現存する英国アンティーク家具の中にも彼のデザインをもとにし、より簡素化した家具が多く残っています。また彼のキャリアにおける最も重要な時期にROBERT ADAMの影響を強く受けます。ROBERT ADAMがトータルにコーディネートしたマナーハウス等の内装に家具を納めることにより、ネオクラシカルスタイルに傾倒していくのでした。これは前述のデザインブック第3版に顕著に見られます。このネオクラシカルスタイルもジョージアン中後期の代表的様式の一つとなっていきます。 1779年、彼の死後長男であるThomas Chippendale Jr. により事業は引き継がれます。彼は父のST. MARTIN'S LANEの工房で修行をしていました。1804年に一度破産し事業に失敗しましたが、商品品質の確かさが最終的に彼を助け再び立ち直るに至りました。彼の工房においては家具制作以外にもソフトファーニッシングといわれるカーテン作りやアポースタリーといわれる椅子張りの事業が重要な要素を占めるようになり、Sheratonが出した"The Cabinet Dictionary"の家具メーカーのリストに椅子張り屋としても掲載されています。彼の作品は以前彼の父がRobert Adam の依頼により家具を制作し、その後1796~1797年にかけ彼も家具を納めたイングランドのリーズ地方にあるHarewood Houseに多く見られます。またヨークにあるFairfax Houseにも彼の父の作品と一緒に展示されています。Chippendale Jr. は英国美術協会の会員であったことでも知られています。

THOMAS SHERATON(1751~1806)

トーマス シェエラトン

彼の出自に関してはあまり知られてはいません。イングランドのダーハム地方の生まれで、かなり貧しい家庭に育ち苦労をしたと言われています。幼少の頃より家具職人として修業してきたそうです。その後1790年頃ロンドンに現れたと言われてます。現在知られている彼のキャリアにおいては家具職人としての面はほとんど無く、デザイナーやドラフツマン(製図工)として英国家具の歴史に名を残しています。実際にロンドンの彼の住居に工房があったことも疑わしく、生涯で工房を一度でも開いたのか、ということもわかりません。現在では彼の手による家具は存在しないという見方が通説となっています。しかしながら彼のデザイナーやイラストレーター、著作者としての功績は評価されるべきものがたくさんあります。1791年から1794年にかけて出版された4部からなる"The Cabinet-Maker and Upholsters' Drawing Book"は彼自身を1790年から1800年における英国家具様式においてSheraton Style と言わしめるまでにしました。その後1803年に"Cabinet Dictionary"を出版し家具や椅子作り、椅子張り、家具の塗装や金箔張りの技術にいたるまで説明した辞書的な本を出版しました。これらの本の中で彼自身も決して彼がオリジナルでデザインし製作した家具とは言っておらず、あくまでも当時流行しているデザインを集大成したもので、家具メーカーや職人達のアイデアブックとしてこれらの本を出版したようです。かれの最後の著作は”The Cabinet-Maker, Upholsterer, and General Artists' Encyclopedia"で数部構成の予定でしたか第一巻のみが彼の死の直前である1805年に出版され、翌年他界しました。

TORCHERE

トーチャー

英名ではCANDLE STANDといわれます。支柱が3本の脚によって支えられ(これをTRIPOT BASE(トライポットベース)などといいます。)、この支柱の上に小さな天板が付いた物をいいます。様々なデザインで各時代を通して作られました。基本的にはサイドテーブルとウォールミラーと二対のTORCHEREの4点セットで置かれました。

TRACERY

トレーサリ-

TRACERY

ゴシック教会建築の尖塔窓等の上部に施される編み目模様を指します。 ここはローズウィンドウとなったり、円形の中に三つ葉模様や四つ葉模様が施されたります。

TREFOIL

トレフォイル

TREFOIL

シトツメクサの葉をモチーフにした三つ葉模様の事を指します。ゴシック教会建築の代表的な装飾です。前出のトレーサリーの円形部分の装飾として良く用いられました。外壁尖塔窓や内壁に彫刻として登場します。よって16世紀のイギリス家具にも多用された装飾です。ちなみに四つ葉模様の事をQUATREFOIL(クワトレフォイル)と呼びます。

TRIPOD

トライポッド

TRIPOD

三脚の意味です。基本的に1本の支柱から三本の脚が出て、自立する形状を指します。イギリスでは18世紀初めから小テーブルの脚等に多用さ れました。

URN(SHAPE) SPLAT

アーン(シェイプ)スプラット

URN(SHAPE) SPLAT

これはクィーンアンスタイルの椅子に良く見られる、背もたれのデザインの名称です。URNとは見た通り、「壼や瓶」という意味です。SPLATとは家具用語で、椅子の背の真中の背もたれの部分を指します。クィーンアンスタイルの椅子はその優美な曲線で有名ですが、この椅子を横から見ると、背の部分が丁度スプーンの首から先にかけての曲線に類似しているため、スプーンバックなどとも言われます。

VENNER

ヴェニア

英語で言うVENEERとは日本で言う突き板のことを指します。日本語で言うベニヤとは英国で言う、PLYWOOD(プライウッド=積層合板)のことを指します。突き板とは木材を薄くスライスした物です。いろいろな製法がありますが、分りやすいもので大根の桂剥きを想像していただければOKです。一方PLYWOOD(積層合板=日本で言うベニヤ板)は木の薄板を杢目を互い違いにして貼り合わせて一枚の板とした物です。ですから表裏杢目の方向を合わせるため、基本的には奇数枚となります。双方とも実は歴史が古く、突き板=VENEERは英国において17世紀中頃より家具の装飾材として使われ、3PLYと言われる現在のベニヤ板の原形となるものは、18世紀中頃より使われていました。

VITRUVIAN SCROLL

ヴィチュルヴィアンスクロール

VITRUVIAN SCROLL

古代ローマの建築家MARCUS VITRUVIUS POLLIO(マルクス ウィトルウィウス ポッリオ)の考案した螺旋状の水汲上げ機の形状を模様化したものを指します。連続した渦巻きというか波形の模様で、家具のフリーズ部分に良く用いられました。もちろんネオクラシカル様式の一つになります。ウィトルウィウスは現存する世界最古の建築理論書である「建築について』を著し、その中の記述を基にレオナルド ダ ヴィンチが15世紀末に描いたのがウィトルウィウス的人体図であります。ヴィチュルヴィアンとは英語表記の読仮名になります。

WAINSCOT

ウェインスコット

良くウェインスコットオークやウェインスコットチェアーという言葉を聞かれたことがあると思います。このままですと、何かそのような木の種類があるように思われますが、違います。これはオーク(楢)の丸太を特定の方法で製材した際に取れる心材を良く含むオーク材のことを指します。心材を多く含むことによりその材は堅く、腐りにくくなり、馬車などの車輪と車輪をつなぐ軸材として使われました。ここから別名WAGON SHOT OAKなどとも言われるようになりました。通説では軸材のことをオランダ語でWAGENSCHOTと言うそうで、それが転じて、WAINSCOTとなったと言われています。一般的には良質で丈夫なOAK材を指して使われる場合もあるようです。

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